いじめに加わった生徒の書類送検に続き、教師の処分にも至った福岡県筑前町の三輪中2年、森啓祐(けいすけ)君の自殺。「教師が『知らなかった』では済まされない」。県教職員課幹部は6日、処分発表の記者会見で三輪中の教師たちの責任を指摘し「生徒が自殺した重大性を考慮した」と強調した。保護者たちからは「これを機に、先生たちは決然とした態度でいじめに向き合って」と求める声が上がった。
県教委は当初、三輪中教師たちの処分について先月20日に決定する予定だったが、処分の軽重について意見がまとまらず持ち越されていた。
6日の記者会見で処分を発表した杉光誠・県教職員課長は「学校を預かる校長らの責任は重い」「いじめ防止の体制を作っておくべきだった」と教師たちの対応を批判。一方で、同中のPTA会長から「厳しい処分は望まない」という嘆願書が寄せられていたことを明かした。
また、教師の処分の重さについて、この日も委員間で意見が交錯したと説明。「生徒の自殺という結果の重大性」と「現場の教職員をいたずらに委縮させない必要性」の双方を意識した判断だったことを強調した。
森君の母親、美加さん(36)は「遺族は処分を望んでいたわけではない」としながらも、「先生たちはこれからいじめにしっかり向き合ってほしい」。三輪中に通う別の男子生徒の父親(47)は「けじめを付けるために妥当な処分。先生たちは決然とした態度で生徒を指導してほしい」と話した。
三輪中は「校長も教頭も不在で取材に応じられない」とした。
減給となった校長の処分について、福岡県内の公立中学校長は「校内でのいじめが原因なら校長が責任を負うのは当然」と話す。
この中学では昨年10月の事件後に緊急の保護者会を開き、「子どもが家庭で『○○君がいじめられている』と話したら学校に教えてほしい」と呼びかけた。
一方で、現場の教師からは「処分は厳しい」という声も。公立中の女性教諭(40)は「懸命に指導しても『結果的にいじめを見逃したので処分』となれば、常に地雷原を歩くような気持ちになる」と話す。
元中学教諭で教育評論家の尾木直樹さんの話「生徒1人が自殺した事態に比して軽い処分、という印象だ。母親からの相談内容を他の生徒の前で話せば、からかいの原因となることは担任教師にも容易にわかるはず。思春期の子どもは言葉で傷つきやすいというのが教師の常識で、言葉によるいじめが横行する学校を放置していた校長の責任ももっと重いのではないか」
読売・九州発 3月7日