リトビネンコ氏毒殺を追った映画監督の別荘、何者かが不法侵入
5月27日、ロシア情報機関元幹部のリトビネンコ氏毒殺を追った映画を製作したアンドレイ・ネクラソフ監督所有の別荘が、不法侵入の被害を受けていたことが分かった。写真は18日、モスクワ市内に飾られたリトビネンコ氏(左端)らのポートレート(2007年 ロイター/Denis Sinyakov)
[ヘルシンキ 27日 ロイター] ロシアの映画監督アンドレイ・ネクラソフ氏がフィンランドに所有する別荘が、先月に何者かによる不法侵入の被害を受けていたことが分かった。
同監督は、ロシア情報機関の元幹部アレクサンドル・リトビネンコ氏の毒殺事件を追ったドキュメンタリー映画を製作した人物。この作品は現在開催中の第60回カンヌ国際映画祭でも上映され、注目を集めていた。
同映画は、殺害されたリトビネンコ氏への生前のインタビューや、英警察が同氏殺害の容疑者と見ている人物への取材などを中心に製作されており、ロシアのプーチン大統領に対して批判的な内容になっている。
ネクラソフ氏は、同ドキュメンタリー映画を撮り終えた後、身の安全に不安を感じると話していた。
同氏が27日付のヘルシンギン・サノマット紙に語ったところでは、不法侵入と同映画を関連付ける証拠は見つかっていない。ただ、調査資料の保管場所にもなっている同別荘の窓ガラスが割られ、本や手紙が破かれていたほか、フィルムのネガも破損されていた一方、盗難の被害は何もなかったという。
政権を批判する人物の暗殺が続くロシアで、女性記者が射殺された10月の事件をめぐり、現職のチェチェン共和国首相に疑いの目が注がれている。この事件では亡命先のロンドンでの「毒殺」事件で死亡した元情報将校アレクサンドル・リトビネンコ氏(43)も情報入手を図っていた。首相は共和国政府最大の実力者だが、強権批判も強い。内紛も絡み、その存在は重用してきたプーチン大統領にとって両刃(もろは)の剣になりつつある。