イラク中部オウジャ村のフセイン元大統領埋葬地に集まった人々=AP
【カイロ=柳沢亨之】イラクからの報道によると、バグダッドで30日に死刑が執行されたサダム・フセイン元同国大統領の遺体が31日未明、生まれ故郷の中部ティクリート近郊オウジャ村に搬送され、埋葬された。
イラク政府は元大統領に「帰郷」を認め、遺族に対し一定の配慮をした形だ。
遺体は、元大統領の出身部族長らがバグダッドで引き取り、米軍機で搬送された。埋葬地は同村内の葬儀場内で、2003年夏に殺害された元大統領の長男ウダイ、二男クサイ両氏の墓から約3キロの地点。
イラク当局は混乱を防ぐため、ティクリートなど近郊都市の道路を封鎖し、埋葬には数人が立ち会っただけという。イスラム教の慣習では遅くとも死亡翌日までに遺体を埋葬することになっている。
イラク政府は当初、元大統領の墓地が反政府武装勢力の「巡礼地」となることを恐れ、秘密裏の埋葬も検討していた。墓地は今後、息子2人の墓とともに治安部隊の厳重な警戒下に置かれるものとみられる。
ただ、遺族は「安全上の理由」から、反政府武装勢力の拠点、西部アンバル県ラマディへの遺体移送を求めているとも伝えられている。また長女ラガドさんは30日、自らが現在滞在するイエメンでの埋葬を望むことを明らかにしていた。